パワーメータ&ボルトメータ
センサの種類の違い
Question
パワーセンサには多くの種類がありますが、それぞれの特徴を教えてください。
Answer
パワーセンサには大きく分けて熱電対型とダイオード型の2種類があり、更にダイオード型は4つの種類に分類されます (3パス / アベレージ / ピークパワー (ワイドバンド) / CW)。それぞれのパワーセンサの違いを以下に記載します。
- 【熱電対型】
- 最も確度よく測定できるパワーセンサです。
- 広い周波数範囲に対応できるモデルも用意されています(~110GHz)
- 全ての電力を熱に変更して測定するため、測定に時間がかかります。
- 【ダイオード型】
- 熱電対型に比べ、測定確度はやや劣りますが、早い応答速度で測定可能です。
- 広いダイナミックレンジを得ることができます
- 3つの種類に分類されます(3パス/アベレージ/ピークパワー(ワイドバンド))
- 【3パス・パワーセンサ】
- 最も幅広い用途で使用されます。
- ピークパワーセンサに比べ立ち上がり時間は劣りますが(~数μs)、パルスやバースト信号でない場合には価格/性能面から優れています。
- 熱電対型に比べ広いダイナミックレンジを提供できます。
- Continuous/Trace/Statistics/Time Slot とさまざまな測定が可能です。
- 【アベレージ・パワーセンサ】
- 3パス・パワーセンサのアベレージ測定のみに特化したモデルです。
- 広いダイナミックレンジを持ったまま 8 kHz~測定可能(NRPxxA(N)の場合)なため、EMCアプリケーションに最適です。
- 【ワイドバンド(ピークパワー)・パワーセンサ】
- 3パス・パワーセンサの広いVBW(ビデオ帯域幅)の特長を持ったセンサです。
- 立ち上がり時間が~数nsと早いため、パルスやバースト信号の波形を確認したい場合に最適です。
- 【CWセンサ】
- CW測定のみに機能を限定したものです。
- 変調信号では、リニアリティが悪い場所で測定することがあり、測定確度はあまりよくないため、R&Sでは提供しておりません。
測定確度 | 応答速度 | ダイナミックレンジ | パルス測定 | |
熱電対型 | ◎ | △ | × | × |
ダイオード型 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
アベレージ | ○ | ○ | ◎ | △ |
ワイドバンド (ピークパワー)型 |
○ | ○ | ◎ | ◎ |
CWセンサ | △ | ○ | ○ | × |
どのセンサタイプが最適か迷われたら、弊社営業またはお問い合わせフォームよりご相談ください。
[関連資料]
PowerViewer Plus ソフトウェアマニュアルR&S NRPxxS/SNシリーズ カタログ&データシート
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R&S NRPxxA/ANシリーズ カタログ&データシート
R&S NRP-Zシリーズ カタログ&データシート